陽と月との間で―明日をのぞむ―

私の物語と私の考えたことを私なりの言葉で紡ぎます。

のぞむの物語

第三章『触れ合い』 (その1)

画像はイメージです 女性服売り場へ向かうために三人でエスカレーターを降りながら、私は奇妙な浮遊感を感じていました。目的地までの道のりが遠く、照明がいつもよりも煌びやかで妙に目に映りこんできます。光沢のある大理石調の床が、Sさんとゆりさんの足…

第二章『近づき』 (その4)

画像はイメージです 私はSさんを目で探しました。しかしどこにも見当たりません。なおSさんを探そうとキョロキョロしましたが、なかなかSさんの姿を捉えることが出来ません。 「ゆりさん、Sさんはどこに居るんですか?」 「少し疲れたから向こうのベンチ…

第二章『近づき』 (その3)

画像はイメージです 「ゆりの服選びはお楽しみに取っといて、先にぼく達が見立てておいた横溝君へのプレゼントがあるけれど、見に行かないか?」 Sさんはゆりさんと私とに流れる微妙な空気をよそに、あくまで穏やかな口調でした。しかし私は騙されません。…

第二章『近づき』 (その2)

写真はイメージです Sさんとゆりさんは数日早く都内のホテルに滞在し、私の方が改めて現地でSさんたちと落ち合うことになりました。そして当日。私は期待と緊張、そしてなぜかかすかな胸の痛みを覚えながら電車に揺られています。目指すは銀座の某百貨店、…

第二章『近づき』 (その1)

画像はイメージです はじめてSさん夫妻と出会ってから、早くも3年が経ちました。この文章が綴られる時間軸は、私が高校3年生の時代です。一応地域の進学校に合格し勉強に明け暮れる日々が続いています。 前回も述べましたが、Sさん夫妻との食事会はあの…

第一章『出会い』 (その4)

画像はイメージです 夕食の宴自体は至極普通でした。ゆりさんの手料理はとても美味しく、食欲旺盛な中学生の私にとっては、ごちそうレベルのものばかりでした。また、Sさんは話題が豊富な上に、話し方がとても上手で、おもわず声を上げて笑ってしまうほど和…

第一章『出会い』 (その3)

※「のぞむの物語」をいつも読んで下さってありがとうございます。ここまで読んで下さった方の中には「これはフィクション臭いな」と思われる人もいらっしゃるかも知れません。しかし、この物語は自身の経験をできるだけ虚飾は加えずに書き記しています。従っ…

第一章『出会い』 (その2)

写真はイメージです Sさんのお宅に初めて招待された日はちょうど梅雨が明けた時期で、熱い日差しが一日中照りつけた後の夕方でした眺めながら玄関にたどり着き、アンティークな呼び鈴を何度か揺らすと奥から「ハーイ」という優しい声がし、しばらくするとゆ…

第一章『出会い』 (その1)

※画像はイメージです ※私個人の半生を出来るだけそのままに記しています。そのために一部にどうしても性的 な表現及び読むことが辛くなる部分が生じてしまうことを、先にお詫び申し上げます。もちろん扇情的な表現がメインではなく、あくまで物語として語る…

「のぞむの物語」へようこそ

誰にでも 誰にも言えない過去がある。 誰にでも 誰かに伝えたい想いがある。 誰にでも 誰かと歩みたい未来がある。 これは一つの物語。 これは愛の物語。 これは一つの宝物。 これは愛の宝物。 過去を静かに振り返り 未来への糧とする 喜びのあぜ道を 哀しみ…